鹿児島大学法文学部経済情報学科
近年の教育上の関心

鉱物資源問題に関する関心


今日のわれわれの便利で豊かな生活は金属等の鉱物資源によって支えられている。しかしこの鉱物資源を巡ってはさまざまな問題がある。なかでも深刻な問題は枯渇問題、環境汚染問題および利害対立問題(3大鉱物資源問題)である。世界が、そして日本が鉱物資源を長期的・安定的に確保していくには直面するこれらの問題を解決していかなければならない。

(1)枯渇問題とその対策
・未開発鉱物資源の開発:深海底鉱物資源、南極の鉱物資源
・選鉱法、製錬法などの鉱業技術の開発:
 低品位鉱やごく普通の土(つち)・岩石から金属を抽出し、資源の量を増大させるような技術
・金属スクラップの再資源化技術の開発
・消費者啓蒙
・発展途上国への技術移転

(2)環境汚染問題とその対策
・選鉱および製錬に伴う重金属汚染:汚染源、汚染発生のメカニズム、汚染防止対策技術
・日本の鉱害:時代背景、汚染の社会的影響、代表的な鉱毒事件
・発展途上国の鉱害
・発展途上国への技術移転

(3)利害対立問題とその対策
・金属の需給構造と南北分業体制
・南北対立の背景と経緯:植民地支配からの独立、資源ナショナリズム、UNCTAD、
 多国籍 企業など
・貿易制度:ガット、WTO、日本の関税制度など
・鉱物資源開発に係わる条約:国連海洋法条約、南極環境保護議定書など
・発展途上国に対する経済協力:ODA

(4)日本の鉱物資源政策
・理念、目標および手段:長期的・安定的確保、自主開発、企業の保護・育成
・政策の策定から実施までの流れ
・政策の中身:国外における鉱物資源の探査・開発、深海底鉱物資源の探査・開発、鉱害防止
 対策、備蓄、国際協力など
・日本の鉱物資源政策の方向:技術開発の推進、自由貿易の推進、国際協力の推進

国際協力に関する関心


(1)なぜ、世界には「発展途上国」が存在するのか
・列強による植民地争奪:奴隷貿易、産業革命、支配する側と支配される側
・中南米・アジア・アフリカの独立
・東西冷戦:米ソの代理戦争
・南北対立:資源ナショナリズム

(2)世界は、そして日本はなぜ開発援助を行うか
・「開発」とは何か:生活の質の向上
・DAC新開発戦略、ミレニアム開発目標:先進国を含む世界全体の利益のため
・日本の政府開発援助(ODA)大綱:途上国の開発と日本の国益のため

(3)日本の国際協力の歩み
・コロンボ・プランへの加盟と戦後賠償・準賠償
・貿易振興とタイド化
・アンタイド化とODA拡大
・NGO等市民社会との連携

(4)日本のODA技術協力の事例

(5)日本のNGO技術協力の事例