鹿児島大学法文学部経済情報学科
社会貢献

鹿児島県JICA派遣専門家連絡会発足20周年記念事業


平成23年度 国際協力パネル展
〜鹿児島と世界をつなぐ人々〜

JICAデスク鹿児島 国際協力推進員  力竹貴子

 平成23年10月1日(土)2日(日)天文館ぴらもーる通りにおいて、今年で3回目となる国際協力パネル展が開催されました。今年は「鹿児島県JICA派遣専門家連絡会発足20周年記念事業」として位置づけられ、2日間で約300名の来場者がありました。
 1年目は、専門家とJICAボランティア(青年海外協力隊、日系社会青年ボランティア、シニア海外ボランティア)の活動を紹介するパネル展でしたが、2年目は県内でJICAの技術研修員を受け入れている大学や団体の紹介が加わり、そして今回は、JICAに限らず国際協力活動を展開している県内NGO・NPO団体にもパネルの出展を依頼しました。このように年々パネル展の内容は充実してきています。また後援団体も年々充実してきています(鹿児島県、鹿児島市、県教育委員会、市教育委員会、鹿児島大学、南日本新聞社、NHK鹿児島放送局、MBC、KTS、KYT、KKB)。
 平成23年度の専門家連絡会からのパネル出展者は以下の通りです。
  川路 賢一郎氏・・キューバ「援助調整」
  木根 主税氏・・・ガーナ・ミャンマー「算数・数学教育」
  中畑 勝見氏・・・ブラジル「零細漁村における持続開発プロジェクト」
  水上 惟文氏・・・ガーナ「医療協力プロジェクト(野口研)」
  志賀 美英氏・・・中国「中国鉱物資源探査研究センタープロジェクト」
 過去2回の反省点を踏まえ、写真を中心とし文章を少なめにしたパネルを作成したり、パネルのまわりにそれぞれの国の布や民芸品を展示したりと、多くの工夫がなされました(写真参照)。
 また3つのNGO・NPO団体のパネルでは、JICA事業とはまた違った一地方での息の長い支援活動が紹介され、一口に国際協力と言っても様々な形があるということを伝えることができたのではないでしょうか。
 さらに過去2回にわたってパネル展を盛り上げてくれた協力隊OBによるフォルクローレ南米音楽隊「ロスポンチョス」に、今年はアフリカ音楽が加わりました。鹿児島大学のサークル「ジャンベリー」によるジャンベやバラフォンの演奏と、アフリカンダンス。その軽快かつ迫力あるアフリカ太鼓や笛の音色がアーケードに響き渡り、たくさんの方々が足を止めて聴き入っていました。
 「国際協力」という言葉は、普段の生活の中ではあまり接する機会がない、自分には関係がないと感じている人がほとんどだろうと思います。しかし少し考えると、外国との関わりなくてしては日本人の生活は成り立たないこと、世界で起こっている様々な問題を見た時に、人道的観点からしても一部の人たちが関わればいいというものではないということがわかります。
 そういったことに気づいてもらう手段の一つとして、身近な鹿児島の人々が世界各国で活動している様子を伝えるこのパネル展は、大変意義のあるものではないでしょうか。
 パネルの写真や説明から、専門家やボランティア、NGO・NPO団体の各国での活動は、決して先進国の押しつけではなく、その地域の人々の問題に寄り添い、その国の文化や習慣を尊重して行われているということ、東日本大震災で日本が世界各国から受けたあたたかい支援のように、日本の若者や志ある人々、多くの知識と経験を持った方々が世界で活動しているということが伝わるものであったと思います。
 来場者の中には「昨年度もあったので、今年もあるだろうと思って」と言いながら見に来てくれた高校生がいました。
 このように、今現在はない「鹿児島の国際協力の日(週間・月間)」がこの時期に開催できるくらいのイベントとなっていくことを期待しています。

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パネル展の様子(開場前)
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いろいろな国の小物を展示
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展示した民族衣装を着る高校生(左)
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現地で採取した鉱物資源を展示
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鹿児島大学のサークル「ジャンベリー」の応援
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協力隊OB「ロスポンチョス」の応援